パリ、異邦人のクリスマス
フランスで外国人の多くが孤独を感じるのは、今のクリスマス時期だろう。
老人であれば余計だ。
クリスマス、フランス人は殆どが家族と過ごすのである。
恋人同士であってさえ、それぞれが家族の元に帰るというのは普通のことなのである。
異文化を理解するということは複雑で簡単ではない。フランスは最も個人主義の強い国というのが定評だが、このように一方で強い家族の絆の結びつきも確固とした伝統としてあるのだ。
クリスマスの前夜イブはプレゼントとクリスマス料理で家族の食事。
今年は新種コロナの急速な大量感染で、参加人数を減らした家族が多かったらしい。
食事後、信仰実践者は教会のミサに行き讃美歌の合唱に参加する。そうでない家族はゲ-ムなどで遊ぶかテレビを見る。
毎朝来てくれる3人の子持ちの美人看護婦は36歳という事だが、ポルトガル人の夫と自分の両親の両方でイブをやったそうだ。ポルトガルのクリスマス料理はデサ-トを沢山作るそうで、とても食べきれないと幸せそうだった。
クリスマス料理は各家庭で少しづつ違うようだが、牡蠣、七面鳥丸焼き、フォアグラは不可欠で、デサ-トにチョコレ-トは必須になっている。
去年のクリスマスはコロナに感染したのでクリニック病院にいた。
入口には大きなクリスマスツリ-があり、よくそれを眺めて過ごした。
その前のクリスマスは、幼い2人の子供は別れた妻の実家のイブに行くので、後日、2人の子供と親子3人で簡単なパ-ティ-をしたものだったし、淋しいと教会のクラッシックコンサ-トやミサを聴きに行った。
今年のイブはすごく寒く、冷たい小雨が降り、気持ちが動かないまま、どうするか迷っている間に結局は何処にも出かけないままで一人で過ごした。
朝は半世紀も前にロンドンで見て感動したミュ-ジカル「キャッツ」のCDを聞いたが、すごい。当時の感動が胸に迫ってきて当時の事を思い出して感無量になった。心は古びないのだ。
豊かで幸せそうな生活している諸々の有名人のクリスマス、一家団欒のぬくもりのありそうなイブ。そんなニュ-スを見たり聞く度に孤独を感じ寂しかった。フランスの貧富格差も激しい。
こんな気持ちはをイブに抱くのは祖国を離れ異国に生きる異邦人だからかもしれない。
クリスマスの夜、シャンゼリゼ大通りを一人歩いてみた。
凱旋門 らコンコルドまでの広い街路の並木を無数の赤い極小ランプが飾っているイリュミネ-ションは美しく素晴らしく,それを見に来る人でかなりの人出だった。.
特にイブサンrロ-ラン、ヘルメス、イブサンロ-ランなどの世界に名だたる高級ファッションブツックが隣接するモンタニュ-通りは豪華な夢の世界だった。
だが同時にイルミネーションが見事で綺麗に輝いていればいるほど孤独を深く感じた。
あなたは幸せ、それとも不幸せ ?
フランスで日本人に限らず一人で死んでいく異 邦人を多く見て来た。
運命である、受け入れるしかない。
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