獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

パリで人気の「光る君」展と体制崩壊。

 ネットがバッグってどうしようもなくイラ立っていた。これだからデジタルはいやだ。


 ネットだけで日本のニュースを見ていると、国は滅びるのではないかと思ってしまう。


 何億円もの裏金つくり汚職を素面でする自民党国会議員の節操なきひどさ、程度の低さ、アフリカの独裁後進国の権力者と同類である惨状だ。


 更にどうでもいいような阿保人気だけあって頭は空っぽなお笑い芸人が有名人ということで芸能界に憧れる馬鹿な女性を釣っての強姦容疑。女性献上という命名も奴隷制に似た響きを覚えて背筋が凍る。21世紀とは思えない。
 目につくその場逃れの嘘つき。拝金主義、弱肉強食、貧乏=疎外、不幸せ。
 更に若い多くの女性が素人女性が街で立ちんぼして売春する異常な光景。フランスなら必ず大社会問題化して国会で取り上げられるだろうに。
 パリの街娼は有名写真家の作品になったり、昔から有名で、現在パリには約3万人のPUTピュットみんな目立たない場所で陰になって商売しているし大多数はプロである。
 若い素人娘など考えられない。
 ハバナに行ったときは町中に娼婦がいて驚いたが、国はカストロ独裁政権で政治経済は最悪で末期状態だった。やはり素人の売春婦が沢山ウロウロ。可愛い子が多かった。


 今の日本は文字通り平安末期の末法の世を背景にした黒澤明の映画、強姦を巡って何が嘘で真実か見えない藪の中を見事に描いた名作「羅生門」の世界ではないのか。


 フランスからみていて、どうしてこんな悪いニュースがあまりに多く入ってくるインモラル国家になってしまっているのか。
 野蛮な自由資本主義にテコ入れ、金さえあればの政治を煽り、しかも一極集中、つまり独裁のようなものの汚職政権を作った安倍晋三が権力を握った頃からおかしくなりだしたと肌身で感じる。それ以前はパリから見ていてもこれほどひどくはなかった。
 すごい円安も続いている。最近会った留学生は物価高と円安で生活できないと言っていた。アルバイトするといっても今は日本料理店くらいしかない。しかも足元をみられて賃金は安く人権なんか考えないからちょとしたことですぐ首にするらしい。日本料理店の経営者は足元をみて、しゃべりすぎるからみたいな、とてもつまらないことですぐに首にするらしい。ある店の経営者も息子はウエイトレスをナンパしに通ってくるとの話も聞いた。人権など保障されてないのだ。


 世界もカオス状態だ。


 日本は政治経済面で欧州では全く存在感がなくなっている。アジアでニュースになるのは大中国だけだ。日本人の団体旅行者も殆ど見かけなくなった。
 ルイヴィトンのバックを何個も買う日本女性や、ビジネス戦士とおだてられ、ジャパンナンバーワンとシャンジェリア大通りを偉そうに闊歩する日本ビジネスマンが居たなんて夢のようである。
 外国で唯一太いパイプの関係合があるのはアメリカくらい。それだってトランプが大統領に返り咲けはどうなるか分かったものではない。


 ロシアのウクライナ侵略戦争はもう2年になろうとしているが続いている。ロシアはまだ3年は戦争継続できるとニュースで聞いた。
 依然として旧ソ連衛星国に対して領土統合する野心を持ち続けているという。


イスラエル極右政権によるパレスチナ壊滅戦争もままだ継続してる。しかし国連も誰も止められない。両戦争で夥しい罪なき市民が虐殺されている。地球は虐殺の血潮に沈んでいる。


 米大統領バイデンは記憶の間違いを繰し、大統領選は老齢で身体的にもたないだろうと言われている。トランプは買春した娼婦の口止め料に公金を使ったことで刑事裁判にかけられる。中国は台湾合併を狙い続けている。夜のニュース番組をみていたら今や世界を支配しているのは大国の大統領や権力者ではなくマスクのようなデジタル関係企業の億万長者だという特集をやっていた。


 世界情勢は現在一寸は先闇、分かるのはは第二次世界大戦後78年たって平和主義の時代が終焉したということでだけ、世界は急激にしかも完璧に根底から変わっているのだ。


 こんな情勢の中、東洋美術コレクションでは恐らく欧州最大であるパリのギメ美術感(6 place d'Iéna 75116 paris)で3月25日迄、日本の「源氏物語」をめぐる美術展が開催中で人気を呼んでいる。


 入口には木彫り彫刻の座禅した阿弥陀の像がある。同館の所蔵品だ。


 歳月を経て朽ちている箇所があるが、それがまたいい感じ。
 じっと鑑賞ていると不思議と心が静る仏像だ。やさしく優美で美しい。
 阿弥陀は当時流行していたということで出だしにもってきたのだろう。


 展示内容は和歌が大書きされているいかにも古い当時の大きな屏風。
 紫式部の和歌と姿絵が描かれた多様な色紙、同じように小野小町の色紙もあった。


 フランス革命によって断首処刑されたマリ-アントワネットは漆塗りで源氏物語の絵図が彫られた化粧箱を所有していたというが、多様で貴重な習字箱などの箱類や十二単衣装のミニチュア、漫画化された作品なども展示。
 続くパ-ト2の館内では着物、帯、絹の布や西陣織の紹介などが鑑賞できる。


 この時代は遣唐使が廃止され、日本独自の文化追求の気運が強かったといわれているが、平安貴族階級の文化が中国文化の影響を受けず、日本本来の美的感性に洗われて、いかに繊細で洗練したものになっていたか。当時の貴族の趣味はは素晴らしくて、魅了される。
 パリの訪問者は見たことのないすばらしいさに目を皿にして食い入るように鑑賞していた。


 しかし、平安貴族の贅沢な栄華は平安貴族の権力者たちが快楽に溺れ堕落する。
そして台頭してきた武士階級が横暴と腐敗に怒り貴族権力は破滅され消滅してしまう。


 吉川英治原作で溝口健二監督が映画化した「新 平家物語」はその様子をを見事に描いている。是非見て欲しい名作の一本だ。


 チエフォフの「桜の園」も腐敗堕落したロシア皇帝が労働者階級出身ボルシュビキに滅ぼされ、その過程でブルジュワ階級が混乱破産していく悲劇を書いた傑作だが、2作とも汚職、嘘、インモラル、享楽腐敗で堕落し、自分の利益しか考えられなくなった権力者が破滅していくことで共通している。


 今、日本がどこまで汚職や詐欺、退廃堕落がどこまで病態が深刻なのかは、ネット情報だけでは深い診断不可能だが、見張るアンテナは磨き続けておきたいと考えている。


 またフランスと日本で同時期に「光る君に」に人気があること。
崩壊が忍び寄る世界的末法の世の不安が反映されいると感じるのはあまりにも考えすぎか。気なる。
 社会も人間も角を曲がったら何が待ち受けているか分からない。


 今度はプ-チンがポ-ランドを侵略して欧州戦争が勃発して、俺はパリで死ぬかもしれない。   
 一寸先は闇だと思って生き続ける。完