獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

8月のパリ。


殺人狂独裁者プ-チンチンによるウクライナ民主主義国家の破壊と国民皆殺しの侵略戦争は夏に入っても続いている。
 毎晩22h-24hのLICニュ-ス番組は必ず戦況ルポをやるので欠かさず見ているが既に民間人死者だけでも5千人超えるとか。


 最近は最後まで徹底抗戦をしていたウクライナ兵士が捕虜交換で自由になることを条件にロシア軍に降伏し刑務所に入っていたが、捕虜交換で自由解放どころか、その内53人が拷問を受け虐殺された事実が暴露されつつある。


 しかし、TV局LICでの 討論ではロシアが石油を止めれば大不況になるからロシアに対する制裁は解除すべきだというだけでなく、ウクライナはロシアの一部だったのだから早く和平の妥協をすべきだというインテリさえいたので驚いた。
 
 当初ウクライナ大統領ゼランスキ‐を民主主義防衛のヒ-ロ-と諸手を挙げてフランス全メディアが絶賛したころとはト-ンが違ってきているのだ。


   一方、目下フランス国民の頭はバカンスで一杯だ。全て問題は後回し後回し。
   フランス人はバカンスに行けない事を人生最大の不幸と考える。
 ところがバカンスに行けない低所得層も大勢いる。
 だからフランスには貧乏な家族、特に子供に対して海や山へのバカンスを無料で提供する福祉サ-ビスが幾つもある。


 8月のパリは有名な美術館や大劇場は軒並み閉まり、映画館は旧名作再上映が大多数となる。街を歩いても英語を筆頭にイタリア、スペイ、アラブ、それに中国人が多く日本人は目立たない。バブル時代とは完全な様変わりだ。
 またアビニヨン際演劇r祭、アルル国際写真展など主なイベントは地方で行われ、パリの場所よってはパン屋やタバコ屋などでさえ閉まってしまう。


 昨年に続いて今夏もバカンスに行けそうもない。


 澄んだ綺麗なブル-の瞳につい魅了されしまった10歳年下の新しい彼女はカネがないのでバカンスに出ないというし、ウクライナ国民の悲惨を考えたら地中海などの浜辺で日焼けして過ごす気分にもならない。


 しかし最大の理由は次々と大きな出費が続いた為である。
  
 白内障手術後の眼鏡の値段が約7万5千円、
 電気代の値上げで一年分超過料金が約6万8千3百円、
 歯手術の見積もりが約19万4千5百円。脚も弱っている。
 老いるとは体が次々と破損,そ度毎に修理費が必要なことだと痛感させられる。

  
 この支出だけでも不安なのに必要生活費がインフレで軒並み値上がりしている。
 
 毎朝9時に来てくれる移動看護婦は朝5時に起きて午前中だけで26人の患者を車で見て回るそうだが、ガソリン代高騰で幼い男子が2人いるし月末は一円も残らないといっていた。
 それでも8月は夫の故郷ポルトガルで3週間の夏休みを家族で過ごすというから、フランス人にとってバカンスは聖域なのだ。
 
 バカンス明けの秋からはロシアのガス供給停止、更なる原油値上げなどで大不況が予測されていて、フランス政府は今から耐久生活への心構を呼びかけている。不安だ。
 
 今夏のパリは秋からの不安が漂うが、それでもカルチャ-シーンが完全な不毛地帯となるわけではない。
 
 パリに残る人々の為に以下面白いイベント紹介しておきたい。

1、セ-ㇴ川岸の海辺。セーヌ河岸に海の砂を運び込みビ-チに。プ-ル、レストラン、ダンスや音楽の余興もあり海辺のバカンスが味わえ好評。8月一杯まで。

2-セーヌ川辺での野外ロックコンサ-トフェスティバル、Boulpgne pont de saint cloude.8月30日迄。
3-大カラオケフェスティバル、cite fertille,14 av edouard vaillant 、pantin.8月19日迄。
4-美術i館では他に-印象派マネの傑作「水蓮」などで有名なオランジェリー、改築新装されて評判のパリ市美術館のCarnavalet;東洋各国の貴重な名画を一堂に集めているが余り知られていないCemushiなどがオープンしている。
5-ルイヴィトン美術館でのア-ティスト5人によるユニ-クな色彩絵画展「La couleur en figure」、8月29日迄。
6-ポンピドゥーセンターではナチス台頭期に活躍したア-ティストAugust Sauderの作品を集めた「Allemagne/Anée 1920/Nouvelle objective/」、9月5日迄、タイムリ-な企画で見逃せない。
7-「アメリカ千の顔」と題した76歳になる米写真家Jay Ross写真作品展、9月18日迄 写真中央センタ-、
8-ロマンティックのヒロイン展、romantique美術館、80点数を展示、9月4日迄、16 rue chaptal.
9-Love song展,日本の写真家アラキなどの写真を展示、9月23日迄。素晴らしい国際写真専門美術館で必見。




























続いては10,大地をテ-マにした前衛美術展「Reclamer、la terre(大地の要求).9月5日迄、前衛ア-トで人気のpalais de tokyoで。

11-サンロ-ラン美術館でのファッション作品展、8月11日迄。
12,選抜されたて5人の新進アーティストがポン ㇴフなど、それぞれ選ばれたセ-ㇴ川にかかる5つの橋でインスタレ-ションを展示してる美術イベント、9月23日迄等々がある。

 この他でもsunsideなどの有名ジャズクラブは夏でも無休だから何時でもジャズを聴きにいける。

 
 軍事力で殺人を続ける狂気よりも、最後はカルチャ-の力が勝つと信じたい。
 
 現在、パリは平和で、何よりも自由な国際文化都市である。