獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

温情。

 ジャズクラブduc lamdards;ランバ-ツの男爵にロラ プリンスのライブを聞きに行った。

 彼女には声にも体にも張りを感じなくて、むしろ老いてるのではないかと思った。とはいえライブの雰囲気は素敵で気分は良かった。 それで.糖尿病なのを忘れてしまって強い   キュ-バ酒ロムの入ってるカクテルを注文してしまった 。しかもj加えてつまみにチ-ズと生ハムの盛り合わせ頼んでしまった.。毎朝来てくれる看護婦が知ったら怒るだろう。
クラブを出ると若者の人出がすごかった。みんな少しお洒落している感じがいかにも週末でいい。しかしすごい人出なのでふらつく足元に不安になった。地下鉄に乗っている間は必至で自分を支え何とか持った、 

 ところが自宅最寄り駅で下車してから歩行のバランスがますます取れなくなってきた。.    普通に歩こう.と努力するのだがダメでふら付く。
脚が疲れているからだろうと背のない石のベンチで一休みしようとしたがうまく座れずにひっくりかえってしまった。幸いバイクで通りかかった2人の黒人少年に救われた。
自宅まで50mくらいの所に辿り着いて、サア-後一頑張と気合を入れて歩き出したら、今度は後ろ方向に勝手に脚が動き画廊の入り口にぶつかり完全に転倒して起き上がれなくなった。星空を見上げながらたどうしようと考えていると犬と散歩している若い女性が通りかかった。女性は犬を連れていたので一人で僕を起きあがらせることが出来ないので携帯でボ-イフレンドを呼び出した。                                


 僕の方は気持が落ち着いきたら吐気がこみ上げてきて、脇にあったゴミ箱に大量のゲロはいた。親切なカップルは驚いて救急車を呼んでくれた。
 病院では尿、血液、血圧 点滴と全ての診察をしてくれ結果判明までは退院はさせないと言われた。23時頃から朝の7時まで病院のベッドにいた。カーテンだけで仕切られたベッド空間に同じような緊急患者が多く入っていた。


 フランス人が働かないなんて嘘である。みんなよく熱心に働いていた。
 この事件の一日 前、歯痛で苦しんでいたら看護婦にすぐ病院の行くようにいわれたので予約なしで直行したら虫歯の腐った根をパッと引っこ抜いてくれた。治療代は双方とも無料。改めてフランスの効果的なシステムはすごいと思った。


 フランスは全て分業制で、例えば病院勤務の看護婦でなければ自分でキャビネをもって独立独歩で仕事をする。当初は病院ではなく看護婦と直接アポをとって注射してもらうというシステムにドキモをぬかれたものだが。しかもそれぞれがエキスパ-トとして教育されているので手際がはやいのだ。今回の転倒の原因は歯の痛み止め薬を服用してるのにアルコールを飲んだ事。それと歩き過ぎた為とか。
                                            この事件前日には歯が痛み看護婦すぐ見て貰った方がいいと言われて、緊急にすぐいったら少し待たされだけで対応してれた。                               あれこれなく即判断で虫歯の化膿した根をバッと引っこ抜いてくれた。
両方とも無料である。こういうフランスのシステムはすばらしい。

ベルモンドの死と晩年の若い愛人。

 2-3年前,フランスパンのサンドイッチを食べていたら食パンと違い固いからグラグラしてた前歯が欠けてポロリと落ちた。最初は突然なので鳩の糞かなと思った程。慌てた。
 当時フランスで歯の治療は保険が効かなかったから、まず治療代を心配した。
 計1万6千ユ-ロ、約28万円かかった。よくクリアー出来たものだと思う。


 それがその手術した箇所が2日前位から痛み始め生活に支障が出ている。人間なんて軟なものだ。年だからチョト体に異常があると、もう死ぬかなと思ってしまう。


 この月曜日フランスの大スタ-男優ベルモンドがパリの私邸で死んだ。
 テレビではニュ-スを中断して特報を流し、マスコミは全て大特集を組んだ。
 反響の雰囲気は日本で高倉健さんが死んだ時とよく似ていると思った。
 フランス人は身近な大スタ-として強い親しみを抱いていたのだろう。
 2人とも健さん、ベベルと愛称で呼ばれるのも似ている。
 その点では冷めた美男子のドロンとは違う。
 似てるとすればジャン ギャバンかな。2人ともいわゆる美男子ではない。
 日本のイケメンは仏女性には全くもてないと思う。つるつるしすぎている。


 ベルモンドの映画作品ではデビュ-作でフランスヌーベルバ-グの代表作となったJ L ゴダ‐ル監督「勝手にしやがれ」、共演した米女優ジェ-ン セバ-グの魅力も圧倒的だった。その他では「きちがいピエロ」など初期の作品に強いインパクトを受けていて、後年の娯楽路線の作品は殆ど見ていない。
 20年前、脳に障害を起こしてからはしゃべることも歩行も不自由なりリハビリに専心していたという。
 父親は彫刻家だが本人は国立演劇学校を優等で卒業。ゴダ‐ル監督との出会いでスタ-になっている。アランドロンのように様々な有名女優と多彩な浮名を流すことは少なかったが、最後の愛人はミスベルギ-で決勝を争った若い美女だった。
 年齢差は40歳で周囲はカネが目的と止めたそうだが、詐欺にも手を染めた悪女なのは知っているが彼女なしでは生きれないと突っぱねている。しかし結局最後は裁判でカネを巡っての修羅場となり別れている。現在その女は石油の金満国ドバイに移住して派手な水商売をしているそうだ。美人で釣る詐欺師タイプの女らしい。


 こうした例は幾らでもある。昨日も深夜ラジオを聞いていたら、パリ郊外に住む黒人の美女と結婚出来たのはよかったけどアフリカの実家に仕送りするカネを絶えず求められて今では銀行カ-ドもあずっけぱなしになっているがどうしたらいいかとアドバイスを求める男が話をしてた。
 別の例ではシャンゼリゼの豪華カフェで日本男が金髪の美女と意気投合して自分のアパ-トで一夜を過ごしたのはいいが朝になると女だけでなく金目のものはすべて消えていたという事件もあった。カネは女で女はカネだという気にさせられる。


フランスは国家でベルモンドにオマ-ジュ-敬意を表するすることを決定。
ナポレオンの墓があるアンバリッド宮.で大統領も出席して大きな追悼式が行なわれる。


ベルモンド逝去の三日前米国の名匠映画監督アランパ‐カが死んでいるが、同監督にオマ-ジュを捧げたマスコミは見当たらなかった。

パリでAV動画を考える。

  PCが狂ったのか。突然、AV若手新人女優の一覧表ページが出てきた。
 若いAV女優がこんないるのかと驚いた。その中に元競泳選手の青木桃という女の子がいた。
 フランスでは競泳選手がポルノ女優になるなどという事は想像を絶するので、これにも仰天した。


 AV動画というのは日本が勝手につけた名称で西欧にはない。こっちではポルノ映画と呼ばれる。


 青木桃の写真を見ると体格がよく、いかにも水泳選手であるだけでなく日本のどこにでもいそうな普通の女の子という感じがあって、軽く誘惑に引っかかてしまった。
 名前をメモして検索した。


 最初は全裸水泳とかいって本気で真っ裸になって泳ぐデモンストレ-ションのビデオが流れる。カメラは執拗に女性のあそこばかりを追うのが馬鹿げていたけど。
 続いて彼女出演の本番AV動画となるがAV動画は同じパタ-ン。性交をみせるのが目的だから他にやりようはない。ただ普通に水泳をやってた女の子というイメ-ジを植え付けられているから刺激度と妄想度は高い。
 AV動画が絶えず女優を変える続けるのは、飽きられない為の手段のひとつだろうなと思った。 性交のパタ-ンは変えようがないから、女優を変える事で鮮度を保とうという算段だろう。


 それにしても、こうしたAV動画に普通の感じで出演する若い女性が多くいるのは日本女性の性道徳や人生の価値観が変わったという表れなのだろうか。


 好きでも無い男と性交してギャラをもらってケロリとしていられる普通の女性なんているのだろうか。 女はみんな娼婦であるという考えもあるのは知っているが。


 AVは性交という事実がある以上、どうしても作り事では済まない。
 虚構と現実の区別がつかなくなった時、人間は狂っていくのではないか。


 知人だった映画女優は本番をやらされて、生理がなくなってしまったと言い不幸の内に死んだ。
 もう一人のフランス新人女優は巧みに仕組くまれて相手役との性交を撮影されてしまい、気が狂った。 


 セックスと精神が切り離せない事はレイプされた女性が苦しむトラウマを知れば十分に理解できる。


 青木桃という女性も何度かAVに出演していくうちに普通がすりきれてAVで売春して稼いでいる女としかみられなくなってくるのだろう。売春という認識がないのは言葉の魔力に過ぎない。
 勿論、AV女優に限らずカメラや人前で平気で性交できる女優はいるが、それはやはり特殊な例だろう。


 フランスのポルノ映画とAV動画を比べてみると幾つかの違いに気がつく。まず日本の方が女優が素人っぽく若い女性が多い事、それと何らかの話を筋にして作品が作られている。    
 だから映画女優として演技していると錯覚しやすいのかもしれない。
 
 量を見ているわけではないがフランスポルノ作品はそのものずばり性交を生々しくダイレクトに撮影したものが多そうだ。
 野獣的というか、人間というより獣が本能むき出しで性交するといった作品が多いように思う。それだけに激しい。 


 その点では 日本のAV動画の方が創意工夫があると思う。なにしろ水泳の選手まで引っ張り出してくるのだから。
 そういう日本人の勤勉さもあってか、パリのポルノショップのビデオコ-ナに行くと字幕必要なしの日本のAV動画が沢山売られている。


 一方、過去に繁栄したパリの有名なポルノ街は壊滅状態である。ポルノも今はネットで自宅で簡単にみられるから客が激減した。そういえばブレッソンの写真で知られるパリの街娼もすっかり姿を消している。娼婦もPCを使って自宅で商売してるそうだ。


 例えばポルノショップが多く集まっていて悪の華やかさがあったピガ-ル。あるいは有名な街娼通りで、昔は肉体を売る多種多国籍の女達が派手な蝶のように通りを飾っていたサン、ドニ通りとか。みんな完全に寂れてしまった。


 唯一残っているといってもいいのはシャンゼリゼ大通り。この界隈はベルエッポクのころからの伝統があるともいわれている。大通りや高級ホテルやカフェを流して外国の金持ちを狙い落そうとする比較的値段の高い娼婦がいる。
 この他では難民として亡命して来た異国人の中で貧しい郊外や難民キャンプで売春する女性もいるらしい。


 中島桃の流れでAVを ナビゲ-トしていたらレイプのAV動画にぶちあたってしてまった。
 それはエロスというより人間としての女を破壊する動画だった。残忍だった。人間に対する尊厳は皆無。人間というのは恐ろしい生き物だと戦慄した。悪夢だった。
 こういう人間破壊のAVは取り締まるべきだと思った。


 AVもポルノも同じ段取りで性交を見せていく以外、なんのイマジネーションもないから飽きてくる。内実は極めて貧困である。


 それでもなくならないのは、それが本能と結びついてるからに違いない。本能は飽きない。