獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

カフェで一目惚れ

 laurentというカルチェラタンのカフェでフリ-で入れるjazz演奏があったので行ってきた。
場所はメトロodeonとセーヌ岸を結ぶドフィン通りの37番地にあった。


 カフェとあったので、よくある普通のパリのカフェと想像 していったけれど違っていた。シックでリッチなホテルの中にあり、カフェというよりサロンといった趣だった。
 女性歌手とピアニストの組合せ。
 ピアノは巧かったけど、歌手に全然魅力を感じなかった。一言でいうと退屈。どことなく離婚した妻の母親に似たタイプなのも白けた。
 だけどカフェの雰囲気はリッチで素敵だから女性をデ-トに誘ってカクテルでも注文して「落とす」には適しているだろうと思った。


 何時もは白のグラスワインを注文するのだが、カクテルの種類が多かったので、ナイトサイドというのを頼んでみた。胡瓜の薄切りとオリ-ブとレモンが乗っていた。甘味が適度にある。ローム酒がベ-スになっている。テイストはまあ合格だった。


 カクテルを作るバ-テンのシェ‐カを振る音が時々聞こえるのも雰囲気に一役。アメリカ人が多かった。留学生なのか観光なのかは分からない。米国片田舎の高級ジャズクラブにいる気がした。


 退屈なので適当に聞いて適当なところで引き上げようと考えていたら、フランス育ちらしい中国系の体躯のいい青年と24歳位のフランス人女性のカップルが入ってきて目の前の席に座った。その女性を見た瞬間、ハートを射抜かれた。


 うぐいす色で胸を少し開けた服がよく似合っていた。他のアメリカ女性客のように俗っぽくない。瞳は適度に大きく鼻も高すぎず顎は瓜型だった。とぎれとぎれに聞こえる声もよかった。モデルタイプの美人ではないが。すごくチャ-ミングだ。
 金髪は混じっているだけ。 シャイな感じもすごくいい。完璧にノックアウトされた。


 一目惚れというやつだと思った。


 胸が締め付けられて動機がして、すぐ立ち上がれなくなってしまった。
 釘付けになり、悟られないように盗み見した。


 彼女はカシスのカクテルを素直に美味しいといい飲み、マカロンを美味しいと食べていた。 
 畜生、何故か悔しかった。


 コンサ-トは真夜中の24時までだ。
 彼等はそのあとどうするのだろうか。気になった。
 しかも彼女は酔い,ここの雰囲気やマカロンなどで気持ちよくなってる。彼女の一挙一動がきになる。


 23時半頃まで店にいたが、買ったばかりの本とインスタントラ-メン2個と新聞リベラシオンの入ったビニ-ル袋を忘れた事に気がつき引き返した。


 彼女は男の隣に席を移し並んで座っていた。


 忘れもの手渡してくれた時、彼女は瞳一杯に見つめた。
 それは穏やかな地中海の色をしていた。


 長い人生で彼女の様なチャ-ミングな女性とつき合うチャンスがなかったことを悔やんだ。


 束の間の出会いで彼女に2度と会う事はないだろう。
 しかし暫く彼女とあの時の瞳の美しさは忘れられそうにない。


 その翌日、パリの有名な大チャイナタウン「ベルビル」の丘で小さなジャズコンサ-トがあったので行った。幾らでも参加料を払えば聞けるというシステムだった。
 出演バンドは3組。サブカルチャ-のジャズ派という感じ。この界隈はアングラっぽいくて先駆的ア-ティストが多いらしい。
 ラストを決めたサラ オリヴィエという女性ボーカルはラジカルで客をエロチックに煽った。観客は300人くらいで殆ど20歳前半の若者。
 周囲は豊かな緑に囲まれたいい場所だった。主催者は大きなジャズフェスの育てていく意図でやっているという。フランスはすごいと思う。
 客には美人もいたが、一目惚れするカフェlaurentの彼女の様な女性はいなかった 。


  帰り道、餃子専門で人気の中華店に寄って、豚肉と唐辛子を混ぜ合わせた餃子と茄子のニンニク炒めを食べて帰宅した。美味しかった。
 ベルビルのメトロ周辺には多くの中国人街娼が徘徊していた。
 天国と地獄はいつも隣りあわせである。

パリの往生際

 いきなりコレを書きたくなったのは死神がアパ-トの入り口に来ていると思うからである。
象は死を感じると象の墓場に自ら行くと言われるが、人間も同じだと思う。


少年の頃、後何日で地球が滅びるとしたら何をするという問いかけがあったが、答えは死を待つだ けであると今分かった。


自分がどう死ぬかは予測がついている。


脚が悪いから、ある日転倒して、それでこと切れるのだと思っている。
近所の婆さんもそうして逝った。
発見者は毎朝来てくれる美人看護婦だろう。


馬鹿げた学歴コンプレックスも他の様々な苦しみも全ては灰となる。


穢土とはバイバイだ。
心残りは二人の子供に死の始末の負担をかけることである。


昨晩ラジオを聞いていたら21m平方の部屋に五人で住んでいた人の話をしていた。


いろんな欲望が渦巻く現世は、それ自体で既に地獄なのかもしれない。
ボッシュの絵画作品が示しているいるように。
近所に俺はもうくたばりて-と、一日に何度か叫ぶ狂った老人がいる。
歳を聞いたら82歳とか。
娘は60歳を超えたという。


人間の苦しみはフランスも日本も変わらない。


だが救いがあるとすれば人間には愛と希望があることだろう。
しかし、それさえも死の絶対を前にしては空しく感じる。


昔、愛があれば大丈夫という名のcdromの会社があったが、会社は破産したようだ。

ソフィア、愛情のパワ-を書くつもりが。

 菅首相の陰険な顔やコロナウィルス問題、私利私欲でオリンピックに集った連中の醜さ。


 既に不快指数は最高レベルだったが、久しぶりにネットで日本のニュ-スを見たら、借金で風俗に身売りした若い女性の悲惨、コロナ禍の後は若い人が風俗に沢山出てくるから、それを待ったほうがいいといったネタとかアイヌ差別あるいはナチスのユダヤ人大虐殺を茶化して笑いをとろうとする低能の若手お笑い芸人たち。


 こんな連中は全員破滅して欲しいものだ。


 フランスから見ると日本は他人をけなして笑う気の滅入いる社会になってしまっているように思える。更には-100円を恵んでくれといって死んだ6歳少女の事件。腹が立つ。国に政治家がいるのかと怒りで爆発するようになる。聞くだけで吐気がする。

 
 ここまで 日本を劣化させたのはまず汚職政治家、それと権力の甘い汁のおこぼれに意地汚くすりよった評論家や有名人とか芸人だろう。腐りきっているのだ。

 金銭至上主義、倫理観欠如は国を人間を滅ぼすから恐ろしい。

こうした傾向がつよくなったのは北野武がスタ-になり始めて、特には安倍政権が汚職と嘘をまき散らしたころからだろう。志村けんはすごかったと思うが、芸人としての北野武なんて全く信用していない。

日本が資源は豊かなのに国民は人間以下の貧乏生活を強いられているアフリカと同じにならないという保証はない。

今回は新しくリハビリの担当になったソフィアという気に入った若い女性について書くつもりだったが、ニュ-スを読んであまりにの腹が立ってしまったので、ソフィは次回に回す事になってしまった。