獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

ノルマンディ-、ルーエン市オペラ交響楽団

 もういつ死んでもいいやという思いと死ぬのは嫌だという考えが交互にある。


 老いて不幸に生きている人を見て、よくあんなになってまでも生きているなと思ったことがあるが、最近は生きるという事は生き物の本能だから死ねないのだと思うようになった。


 今、日本円にして約10万円の生活費で暮らしている。最初はパリ-東京を全日空ファーストクラスで行き来したプライドもあって転落したと辛かったが、幸いアパ-トが持ち家なので結構生活出来ている。


 勿論、老人の限界があるから若い時の様な喜びは得られない。例えばセックスのない生活はつまらない。美しい若いパリジャンを見かけると気持ちが苦しくなり欲求不満を抱く。綺麗な娼婦もいるが、セックス自体が出来なくなっているのでどうしようもない、


 昨日ラジオで女性アナウンサーがセックスは空気と同じ。セックス出来る時は当たり前に感じるが、それがなくなるとと欠乏感で苦しむから、としゃべっていた。。


 最近のフランス映画を見ていると男に誘われるのを待つよりも気に入った男には女の方から積極的にフェイントをかける場面が目立つ。いいよな。


 生きていく上で美人とのセックスは最高の喜びだと思うが、それが出来ないから現在はコンサ-ト、美術展、演劇とかのカルチャ-イベントで喜び得て心を満たすようになっている。
 苦しいのはコロナで三カ月半も入院していたせいで脚が脆弱になっていまってまだ普通に歩けない事である。


 昨日は先日行った花と樹木の大自然公園内での野外クラシック演奏会にいってきた。すばらしかった。


 指揮者はクロエ デュフレンスネ。スタイルもよくて若い綺麗な女性だったが、その指揮はダイナミックと繊細さが見事に調和していてすばらしかった。楽しい部分で浮かぶえくぼもチャ-ミングだ。
 これって若い時の小澤征爾のフランス女性版だよ、と思った。


一曲目はロシアロマンチシズムのmax bruch;の作品。この時、バイオリンのソリストとして出て来たmarina chicheも力強い演奏で聴衆を圧倒。すごい。大感激した。
二曲目はメンデルゾ-ンのシンホニ-3番。メンデルゾ-ンって、こんなにいい音楽だったのかと改めて新鮮だった。指揮者の力だ。
 大勢の観客は総立ちでブラボ-。それがが長く続いた。
 又このメンバ-での演奏会を聞きに行きたいものだ。
 彼女たちの名前はメモした。


 ノルマンディーにこんな水準の高いオペラ交響楽団があるのだから、フランスのクラッシク音楽界の底は深い。


 一日一日と老いながら人生は止まることなく過ぎていくのである。

光沢の白いドレスの女

 昨日夜tvを点けたらマクロン大統領の緊急声明の番組が流れていた。
アフガニスタン政権が完全崩壊してイスラム原理主義のタリバンが勝利した事に関しての放送だった。
 同国は独立国なので内政干渉になる軍事介入する考えはないが、ドイツを始め友好国と協力関係を早急に築き、直ちにフランス人とその協力者だった人たちの安全を最優先に確保すると強い口調で発言した。他局も見たが専門家をゲストに特集番組をやっていた。
 その中の発言で強烈な印象を受けたのは女性の保護の訴えだった。真意は分からないが、タリバンは女性を力づくでさらって、戦功のある兵士には美人を与えると発言していた女性もいたから。既に女性が国外に逃亡しようとしても女性の一人旅は禁止で自宅待機の処分を受けるらしい。


 パリ東側バンセ-ㇴの大きな森にある花と植物の大自然公園で無料のジャズコンサ-トがあったので行ってきた。演奏はまあまあで特に感動はしなかったが、パリに長く居てもこんな場所があるとは知らなかっったので、それは大収穫だった。近く無料のオペラ音楽の大演奏会もあるので、また行くつもりだ。


 20時に帰宅の途についたが、日本食が食べたくなりメトロpalais royalが最寄り駅であるパリ最大の日本レストラン通りrue st anneにいく事にした。


 地上に出るとコメディ-フランセ-ズ前の広場に人だかりがしていた。なんだと思って野次馬してみると、なんと大勢の男女がカップルになって社交ダンス風タンゴを楽しんでいた。パリはこれだからな,いろんなところでいろんな意外が起こっている!と思った。


 その中に一人背の高い女性が素敵な光沢の白いドレスを着て男のパ-トナを変えながら優雅に踊っていた。ドレスの裾は割れていて踊るごとに綺麗な脚線美がのぞく。
 暫くその場に立ち止まったまま色気に圧倒されていた。ラテンダンスって、こんなにセクシ‐だったのか。
 11,50ユ-ロの冷やし中華を食って戻り道すると、まだダンスは続いていて女の体にフィットした白ドレスが美しい裸体の線を思わせていた。陽気だし一番目立った。
 一人の青年が乳房とぴったりして踊った時、女は軽く胸を押して引き離した。繊細な所作だった。


 家に戻ってイスラム原理主義者のタリバンが権力者になった事を知って、その女の事を考えた。
 アフガニスタンに生れていたら、どんな運命を辿ったのだろうか。粋で魅力のある女だった。

パリ,2021年の夏

老いていくという事は人として劣化していくという事だ。昨夕はその事を改めて思わされた。
パリジャンには中には一カ月という人がいるように長い夏休みをとる人が多い。今、自宅に朝通って来てくれる美人の看護婦がいるが8月に入って9月までの夏休みをとった。南仏の家族の所で過ごすそうだ。しかし一カ月全日が有給休暇とはならないそうだ。
で夏のパリは退屈な都市となる。
美術館、劇場といった通常の文化活動はどこも閉まる。
映画は新作は秋以降に回し旧作ばかりとなる。
今年は海も行くのは止めた。
老いさらばえたミイラ状の身体を海辺にさらす気にはならなっかった。


今夏は一人でカルチャ-もなくて孤独が一層深まるなと不安だったが、探していたらジャズクラブならオープンしている事が分かった。パリは意外とジャズが盛んなのである。
7月はduc lombard, baiser salé, sansetに行った。
特別有名ジャズマンでなければドリンクだけで大丈夫だ。グラスワインなら13ユ-ロ前後で済むみんな同じ通りrue lombrdにある。


フランスでは知られていないというシカゴから来た中年の黒人歌手shaon clarkの歌唱力は迫力があってしびれた。ソウルがベースになっているらしい。他のクラブのジャムセッションもよかった。パリのジャズクラブは発見だった。


昨夕はクラブ38 rivに行く予定だった。パリ市長館近くにあり知らないクラブだった。
出演はアメリカのswingジャズの美人女性歌手hetty kate。美声だ。とても楽しみにしていたが、コロナワクチン済の証明書を忘れてしまい失敗した。


家に戻ってから本を読む気にもならず、暇にまかせてav動画を見てしまった。
こんなの時間の無駄と頭では分かっているが見出すとすぐにストップが出来なくなる。夜中までみてしまった。性欲はまだ残っているからだろうと思ったが、満たされる事はないし嫌になる。


素晴らしいジャズを聴いて、夏の夜のパリを散歩して気分よく眠りにつく予定だったのに一転して自己嫌悪、罪悪感、恥の不快な夜となってしまった。
昔はポルノを見るには出かけなければならなかったが、今は手元のアイコンをクリックするがけでいい。フランスの有名ポルノサイトのアクセス数は400万と聞いたことがある。


今朝、もう一人の通いの看護婦が来てくれ、この人も大きな瞳をした肉感的な美人、薬の配合をしてくれている。


パリは涼しさから一転して暑くなっている。
8月ももう中旬近く、多くの人が秋からのシーズンの事を心配し始めている。


老人のパリの日々は過ぎていく。