shishigashira2017のブログ

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

アラブ的という事と、小池百合子の権力闘争。

 渦中の政治家、小池百合子の権力闘争のやり方をみていると、アラブ的だなと感じる事が多い。



 エジプトのカイロ大学で学び卒業しているから、そういう経歴に影響されて考えるという面もある。が、それだけではない個人的体験がある。



 彼女の名前を始めて聞いたのは、カイロ国際映画祭の一部門として日本映画祭を仕込むために滞在した時である。


 


 積極的に協力してくれたカイロ大学日本学科教授、確かサムザ氏といったと思うが、彼と親しくなり小池百合子という期待できる国際的な日本人政治家がいる事を教えてもらったのである。


 


 アラビア語は現地人と変わらない程流暢。日本人には発音が絶望的に難しい言葉である。
 両親がカイロで日本料理店を経営している事。日本とエジプトの親善関係を強めていく事に熱意がある事。同級生で親友であった事。そんな話をしてくれた。



 カイロ大学構内に行ってみた。教育内容は欧米の大学と同じという事だが、ミニスカ-トや肌を露呈する服を着ている女子学生は皆無。大多数はフラ-で髪を隠しパンタロン姿であった。



 時期は独裁者ムバラック政権が身内利益の政治(安部政権と酷似)で腐敗し切り、腐肉がボロボロ剥げ落ちていくような末期症状だった。


 某高官に「おカネがあれば今ならムバラック大統領を買えますよ」と冗談交じりに言われた事が忘れられない。それほど頭から腐り切っていた。
 政権内部で生死の権力闘争が行われているのではないか、という事も接触した文化省の役人の挙動で充分感じられた。戦々恐々でナーバスだった。
 今考えてればまさに独裁政権崩壊前夜だったのだ。



 その醜さを隠すためだろう。カイロ国際映画祭はカネに糸目をつけない大豪華さで、オ-プニングにはハリウッドの有名スタ-がずらりと舞台にならび挨拶した。
 だが、肝心の運営は杜撰で映画が逆さまに上映されていたという話も聞いた。



 巨額詐欺未遂事件の罠のかけられ最終公判直前に重度うつ病で倒れた後だったから独裁政権の内ゲバをより精細に観察できる体力がなく、千歳一遇の機会をのがしたと今も悔やまれるが。



 生涯唯一無二の友人はアルジェリア系フランス人である。困ったときには何も言わず助けてくれる。
 
 先日銀行トラブルがあった時もすぐに都合をつけて1000ユ-ロを用立ててくれた。 返済日も言わず、こういった。「トラブルを解決して、残りのカネは好きに使ってくれていい」。
 アラブ文化には仏教と同じく喜捨、お布施の精神がある。西洋から見れば極東との間に位置し、同じアジア人と分類される。
 アラブ人は侵略し植民地化し祖国をずたずたにした西欧諸国を決して許しはいない。
 気高い誇りをもっている。一夫多妻制は人間にとて合理的なものと考えている。友諠に厚い。
 だが敵にたいしては容赦なく凄まじく非情。二枚下どころではない。何枚もの舌を使い分ける。裏切りの概念が違う。


 イスラエルの諜報機関との熾烈な戦いを見れば分かる。
 策略、謀略は洗練され巧みである。


 こうした社会で有力政治家として生き残っていくには相当の精神タフさと緻密な策略画が必要だ。


 男尊女卑で女には教育はいらないという風潮が支配し、権力闘争が熾烈極まりなく暗殺は稀でない。だから若い女が生活し大学まで卒業するというのは相当な事である。


 有力政治家のバカ息子が高学歴にさらに箔をつけるために米国の大学に留学し免状を手にしてくるのとは訳が違う。特に米国ではカネで大卒の免状を貰えるとも聞いた。
 フランス大学卒の肩書がないのは、そうした事情があるかもしれない。


 だいたい日本の大学での英語力くらいで英米の一流大学の講義についていける筈がない。それは約40年フランス語と格闘しけている人間が保証する。言葉とはそんなに甘いものではない。


 娘がグランドエコ-ルで勉強しているが、その鍛え方はすごいものだ。ついて来れなければどんどん切り捨てる。


 小池百合子に多くの政治家が対処できずうろたえているのは、発想の根源にアラブ的なものがあって、虚を突かれている面があるように思える。
 世界史もアラブ圏から見れば欧米とは全く解釈が違う。
 例えば十字軍は野蛮な侵略軍である。


 アラブの風呂屋でマッサ-ジをして貰うとプロレスの技で体がバラバラにされるように感じる。日本の按摩さんのマイルドさからはあまりにも違う。


 小池百合子は馴染みのない異文化人が旧来の秩序、日本人政治家のパタ-ンを搔き乱している存在のように見える。


 その文化的側面は深い考察に値する。興味ある現象と思える。完

パリの亡命者と難民。

大好きな寺山修司の短歌の一つ。
「マッチするつかのま霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや。」
この歌をパリに置いてみるとより深く切実に響く。
パリには昔から亡命者が多い。
ピカソ、ダリ、ヘミングウェイ、ヘンリ-ミラ-などに限らず世界的に有名な異邦人芸術家も大勢活躍している。政治家の亡命者としてはレ-ニンやホメイニなどの名前が浮かぶ。


「亡命ア-ティストのアトリエ」というイベントに招待され行ってきた。
場所は「102」というところ。
パリの北端貧しい地域18区のpoissoniers.通りにあり番地がそのまま名前になっていた。
周辺は庶民と移民が混じった下町。会場は大きくて綺麗なアパルトマン内の2階(日本の一階)にあった。内部は広く贅沢。幾つも部屋があり各室内で若い亡命ア-ティストの活動が紹介されていた。


長くパリにいるがアパ-トを開放してのイベントというのは初体験である。
大パ-ティのように訪問者は飲み物のグラスを片手に部屋を出入りして気儘に作品を鑑賞している。


知的で品のある可愛いパリジャンヌが大勢いたので「なんでこんなに可愛い子ばかりいるのか」と驚いた。
最近のパリはセクシ-ファションで拝金主義の女がやたら目立つなと思っていたので、それとは別人種の女達も大勢いるのを知った。


アパ-トは貧困者救済で有名な故アベ ピエ-ル神父が創立した慈善団体「マイュス」の所有物。普段は空室なので使用料は無料との事。借りたら千ユ-ロ単位だろう。


下町の片隅で、こういうイベントが行われている。パリはまさに移動遊園地。毎日どこかでなにか異色の文化イベントが起こっている。


でも簡単に亡命者支援といっても、亡命者たち自身の精神生活は苦しいものだろう。例えば、こうした指摘。
「フランスで外国人は正反対の二つの態度のいずれかをとるしかない。何としても溶け込んでしまい、同一化し、自分を失い同化したしまうか。あるいは逆に屈辱や侮辱を受けて、孤独の中に閉じこもってしまうか。フランス人には、、決してなれないというハンディを知りぬいているが故に。」(ジュリア クリスティヴ著「外国人、、我々の内なるもの」。この後者の典型例は複製芸術論で有名なドイツ人のベンヤミンだろう。結局、パリで自殺した。


今回のイベントは絵画、デッサンなどが大半で、国別でも殆どはモロッコなどの北アフリカ人系。アラビア語の表示もあった。支援の一環としてフランス語の無料講座も開くそうだ。
対象としてる亡命者がパリで現在大問題となっているアフリカからの大量難民と二重写しになる。
主催は若い女性の団体で、今年6月に設立されたばかりというが、パリ市、文化省の助成金が早く下りているのも、難民情勢と無縁ではなさそう。


パリの街角では「シリア人」とボ-ル紙に書いて金を催促する乞食が目立つが、難民と亡命者の区別は、そう簡単ではなさそうだな。
受付の可愛いマドモアゼルの説明を聞きながら、そう思った。
パリはこれだから貧乏でも面白い。

カネの苦労と島田陽子AV動画

カネのかかる事ばかりが続く。
カネの問題は命の糧と直結しているから実にストレスが溜まる。


先日は素晴らしい秋の快晴で、気分がよかったので昼食は公園で陽を浴びながらハムとチ-ズの典型的なフランスのサンドイッチを食べる事にした。幸せな気分だった。


サンドイッチのフランスパンはよく歯が折れそうに固いな、と思っていたが、なんと強引に噛んだら本当に前歯二本が折れてしまったのである。
前の歯並びにぽっかりと穴が出来、なんともみっともない。幸せから一気にみじめさへと降下した。


フランスの女性ニュ-スキャスタ-はみんな見事な真っ白で整然とした歯並びをしていると感心していたが、前歯がなくなればどんな美女でも画面から消えるしかないな と思った。


前大統領のオランドは当時の愛人に貧乏人の事を「歯なし」といっていたとかで批判された。それは奥歯でなく目立つ前歯欠落を指す。貧乏人はその空隙を埋める事が出来ないからである。
だから前歯欠落は貧困層のシンボルである。


自殺同然の絶食で死んだモスラム教徒の知人は前歯が欠けたまま暮らしていた。
たかが歯と思うなかれ。地獄は他者の視線である。女に相手にされなくなるだけでなく「歯を治すカネもないのか」と思われたら終わりである。


フランスで歯医者は国民保険がきかないので、べらぼうに高額なのは聞いていた。パニクッタ。


早速、市福祉課の相談すると、「そうね、3千ユ-ロ位はかかるんじゃないかしら」という。
そんなカネない。どうしろというのか。


フランス人とって前歯が欠けているというのは深刻らしく苦しさをよく理解してくれて、親切に解決策について答えてくれた。
該当する保険取得をするのが一番いいが、その手続きには2カ月程度かかるという。
あるいは歯医者学校の実習モルモットとなる事。さらにはサペットリエというテロの犠牲者治療や大きな精神病棟がある大病院にいけば事情によっては無料に近い費用でやってくれるという情報もくれた。
ともかく何とかするしかない。


これで気が落ち込んでいると、下の階に住んでるtvスタジオで働いているという結構可愛いと思っていた金髪の娘がドアを叩き、「あなたにはアパ-ト管理費の借金があると思うけど、管理資金が底をついていて困った事態になっているから、その借金を払うようにして欲しいと催促され、暫し議論。


しかし彼女は一体だれを代表してきたのか。
自分の部屋は25平方しかないけれどきちんと管理費を払っているのに不公平だと主張する。「あなたの部屋は40平方で一番広いでしょ」と。
当時はカネがあったのでキャッシュで買ったといったら驚いて、余計に催促が強まった。


続いて持ちアパ-トなので不動産税の催促が来た。


パスポ-トの更新に90ユ-ロかかる。一万円超だ。
フランスはこんなにしない筈だ。


カネ苦労の連続だ。いやになる。


でもフリ-で来て日本人がまともに食えたのはバブル時代だけだったのではないのか。
そうも思った。昔にに戻っただけかもしれない。


幸いフランスには下流という呼び方はなく要するに貧乏人がいるだけで。
だから変に下流意識を抱かないで済むが、華やかなパリの豊かな階層の生活は優雅極まりないから、人生はカネじゃないとか、カネで幸せは買えないといわれても。やはり良寛さんのように一枚の服を洗い直して暮らす貧しく高潔な生活はで満たされない。


AV動画にあの島田陽子がデビュ-していたことを知り、検索して見た。
島田陽子の名前で刺激され興奮もするが、それにもまして痛々しい。やせ細った初老美人の体。これもカネの力。
物欲の為に心を失えば、待っているのは地獄。でもカネがなければないも出来ない。


フランスにAV動画はないがポルノはネット上にたくさんある。
YOUPORNOなど一日に400万以上のアクセスがあるらしい。


カネのない男には全く興味がないという若いパリジャンㇴも増えているという。

セックスとカネ。これがフランス現代のキ-ワ-ドらしい。


この話をフランス人精神科医にしたら、現代はイメ-ジの時代、イメ-ジだけを大切に生きている人間は困ったときには裏切るから付き合う必要なし。
真実を伝えようとする映画とか写真のイメ-ジは人を感動させる。真実は古びない。


カネを基盤にした男女関係は必ず破綻する。
人生は立っている場所によって教会が見えたり見えなかったりする。などと言われた。


同医師は疲れたので引退するともいい、出会いという言葉も口にした。
それを聞いて思わず涙した。完