獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

パリもカネが苦しみ。

 

包装の凱旋門



米の天才包装ア-ティスト、クリストがエトワ-ル広場の凱旋門を完璧に包装した一大芸術作品は素晴らしかった。
 だだモニュメントを包装しているのではない。包む素材は青と銀色の二枚合わせで作られた独特の繊維物質、ロープの色や縛り方、だぶつく包装部分、陽光や風で変化する表面。全てが緻密に計算されつくされている。カフェから眺めていると無窮の時間の中にいる気がした。晴れた日で、落ちていく陽光に起立する包装の凱旋門は美しかった。
 後日もう一度見たくてシャンゼリゼ通りまで行ったが解体作業中。裸にされた凱旋門は味気なかった。スポンサ-もなく助成金にも頼らず全て作品カ-ドの販売などの方法で自力で賄っているというのもすごい。


 この間、外食を多くしたので300ユーロ=約4万円の赤字がでた。この後は切り詰めて 生活するしかない。カネは生命を繋ぐ糸。生きている以上は必ず問題が起きるから、どうしてもカネはかかる。靴が古くなったから買え変えた。値段もピンキリ。いくらでも高価な靴はあるが、チャャイナタウンで偶然見つけた50 euro超=6500円の靴を買った.。普通価格である。
 更に日白内障の手術もある。手術したらは新しい眼鏡が必要だ。これもピンキリだが普通300-500ユーロ前後=65000円はするだろう。嫌になる。分割払いしかない。
 また幾つかの病気も抱えている。白内障の他、糖尿、高血圧、頻尿、躁鬱の抗鬱剤、長い入院生活で普通歩行不可能なった脚 のリハビリ、これらの治療代を全部払うのは不可能。それでも生活が破綻しないで済んでいるのはフランスの福祉保障に救われているからである。感謝。フランスの社会保障システムはよく出来ているし人間的だ。
 家に閉じこもってカネを使わない生活をしていればカネに追われる苦しみは少ないかもしれない。しかし楽しみのないみじめで貧しい月日は耐えがたい。


 食でいえば食品をスパ-で買っていればそれなりに安いが、それでも月最低150から200ユーロ=2万6千円はかかかる。外食は一般に高い。ちょと高級感のある日本料理店では昼定で60euro=7800円前後はとる。鮨は普通の店で15から20ユ-ロ=2600円前後、焼肉定食はやはり20ユーロ2600円前後。カツカレ-は1300円、ラーメンは最低1300円、先日モンパルナスで珍しく牛丼 のある店を発見、早速食べて見たが不味かった。値段は14ユ-ロ=1820円。パリに格安の立ち食蕎麦屋や牛丼店はない。
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 冬になるのでズボンを新しく買いにデパ-トで探したら10000円前後が普通、10万円するブルゾンも売っていたのでビックリした。小店舗の格安店か、でなければブ-ㇺの量り売りの古着専門店で探すしかないだろう。家の方は幸い持ち家なので救われているが、パリのアパ-ト賃貸料も高い。20m平方で700ユーロ=91000円という物件もある程だ。


 一度シャンゼリゼで可愛い黒人の少女がカネのありそうな50歳代くらいの白人男に体を売ろうとしていたところを見た事がある。現在フランスで売春をしている少女の人数は7千人から一万人前後といわれる。
 フランスのジャ-ナリズムは援助交際などという意味不明言葉は使わずはっきりと少女売春という。値段は不明だがホテル代別で手取り200ユーロ=26000円位ではないか。
 これをテ-マにしたTV連続ドラマ番組もスタ-トした。
 フランスの少女は可愛いから手を出してみたい気がしないでもないが。自慢ではないが少女だけには手を出した事がない。30歳前後の自由なパリの女性とは随分寝たが。


 世界には国家破綻した国が幾つでもある。そういう国に共通しているのは政治権力者連中の腐敗である。日本では安部政権がそうした風潮をt増長しまった。


 日本を端から見ているとカネに集る政治家の多さに驚く。彼等の無能力無責任は様子をよく観察すれば一目瞭然。私利私欲しか考えられない連中だ。


 世界に数多い破綻して悲惨な国家に比べればフランスは未だ豊かで健全さを保っている。
  それでもフランス人の関心事の筆頭は月々の消費と家計である。


 だから、どんなに恵まれて楽そうにみえるパリジャンでも一人としてカネで苦労していない人などいないということだ。
 カネ=生命維持で生活を取り巻く状況は絶え間なく変化しているのであるから。みんなカネで苦しむのは当たり前。カネは苦しみの源泉である。


 カルチェ財団の美術館で英の美術家Damien HirstのExpo「Des spot paintings Aux Cerisiers en Fleurs::スポット ペインティング、咲いている桜」をみた。
 モネに影響を受けたというが、無数の多彩な桜色の小さなスポット、斑点が大タブロ-広がっている。
 空との調和も見事。夢の桜の園いる気がして、カネの苦しさからの一時解放されて幸せだった。

桜