獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

新鮮な若い美声。

 過去tv番組に感動した事があるかどうかというと思い出せない。恐らくないのだろう。


 昨晩22時に若手オペラ歌手コンク-ル番組を偶然に見て胸が詰まった。


 候補者はフランス領西インド諸島の35歳位までの若者たちで計16人程度、みな最終選考に残った人たばかり。出身地はタヒチ、マルチニック島、マイヨール島 ,,ヌーベルカルド-二など。
 西インド諸島には高等音楽学校はないので全員独学だという。驚いた。


 場所はバスティ-ユのオペラ新劇場内の小コンサ-トホール、ここも素敵な場所だ。
 最初に14歳の少女が登場したが、その可愛さと美声に魅了されて釘付けになった。
 フランスのtvにはバライティ曲の若者コンク-ルがあって人気があるので、これはそれに影響されて出来たものと思われるが、演出の出来は雲泥の差。
 組織したのは女性ソプラノの美声の持ち主で西インド諸島出身の男性オペラ歌手だが、後継者を育てようという彼の真剣な想いが伝わってくる。
 
 この感動に刺激されて、76歳だけど日本映画のイベントをもう一度立ち上げるかなと興奮してしまった。これに比べるとバラエティー曲のコンク-ル候補者の若者がいかにフランスショ-ビジネス界の真似かが分かる。


 この番組は新鮮だった。改めてフランスの芸術の広がりと層の厚さに感銘した。続いてモ-ツアルトのオペラ「フィガロ」の中継があったが深夜を過ぎるので寝た。


 この日は見事な秋の日和だった。先週の歯の治療の為、抗生物質と痛み止めの薬を飲んでいて具合が悪く寝込んでいたので、久しぶりに近くの繁華街モンパルナスに外食に出かけた。美味しい豚カツ店か韓国の焼き肉店に行くつもだったが、胃の調子がもう一つだったので変更してナス炒めとライスを中華店で食べた。期待外れ。 


 食事は美味くなかったがテラスで食べたので町いく人々、特に女性を眺めているのが楽しかった。その後、ぶらぶら歩き。
 牛丼を食べれる店とイタリアのボンゴレスパゲティの美味そうな店、それと本場風のイタリア食品店を発見したのが収穫だった。パリは美しい。


 洒落た緑色のカフェのテラスで一服してエクスプレッソを飲みながらをし読書していると、通りかかった爺さんが日を浴びて幸せそうだなといった。
 爺さん、そうでもないんだ。脚が悪くて思うように歩けないんだよ、とはいわずにouiとだけ答えた。テラス周辺には若くて綺麗な女たちを多く見かけた。
 みんな思い思いのファッションで素敵だ。古着を粋に着こなすのも巧い。流行は控えめなセクシ‐と浮かんだ。
 30歳代の元気だったフリ-ジャ-ナリストに戻れたら、声をかけカフェでの会話に誘うのにな。あ-あ-。老いちゃった。


 モンパルナはカルチェラタンやシャンゼリゼとはまた違った店や雰囲気があって改めていいなと思った。


 気分のいいapes midi 午後だった。