獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

paris eyese =秋から暮、パリに来る人の為の美術展。

 是枝監督「真実」が日本で公開され話題になっていると聞く。パリは未公開で日本先行上映。なのでパリでの反響はお伝え出来ない。
が、ベニス映画祭時、有力紙リベラションには酷評が掲載されて、さすがフランスでは権威主義が容易く通じないと感心した覚えがある。評はdeplaissant =「不快」、「苛立つ」といったものだった。欧米劣等感の裏返しとして憧憬主義があると感じた。河瀨直美も同根だ、と思う。


現在パリは見るべき大型美術展が目白押しだ。好み順に挙げたい。
まずは「Hans Hartung.La Fabrique du geste」展(Musée d'art Moderne de la ville de Pris,2020年3月日まで).1920年以来、情緒溢れる流動的で美しいとい抽象画を描いてきた巨匠の1969年来の大回顧展。


信じられないがフランス初というスペインの大キリスト教徒画家グレコ展。世界各国から集められた68点もの作品が一堂に展示されていて必見(グラン、パレ。2020年1月1日迄)。


歪んだ人間や事物、狂気?? 異様なシュ-レアリスム絵画で知られるフランシス、べ-コンの1971年から1992年の作品を一堂に集めた「全ての書簡、べ-コン」展(ポンピド-センタ-、2020年」1月20日迄)


ナチスに虐殺されたユダ人の記憶をもとに衝撃的なインスタレイションをはっぴょうしてきた「クリスチアン ボルタンスキ‐の時間]展(ポンピドーセンタ-2020年3月迄):


更には「レオナルド、ダビンチ」展(ルーブル美術館、2020年2月24日迄)、、「ロ-トレック」展(グランパレ、2020年1月27日迄);「知られざる歴史、モンドリアン,マルモンタン美術館、2020年、1月26日迄)


この他でも「黄金期の英国絵画展」リュクセンブルグ美術館,2020年2月16日迄、「ポップ、ファンク、バッドペインティング ツル-ズ市屠殺場、2020年1月26日迄
シャルロット ペルランの新世界]ルイヴィトン美術館 2020年2月24日迄


そして美術界の最大のイベント「国際ア-ト見本市FIAC」がこの11月17日から、、、、迄開催中,参加画廊の参加数、国籍数も例年以上で大盛況である。


しかし、入場料は約5千円と高め。パリで画廊巡りをした方が得かな、と迷っている。


世界美術界の中心地はベルリンとアメリカと言われていたが現在では既にパリに戻っているのかもしれない。