カンヌ国際映画祭下馬評と噂話。
カンヌ国際映画祭も中盤過ぎて残り後半も1週間を切った。
傾向として受賞作品は後半始め位までに上映される作品が多いので、既に何本かの作品が受賞候補作品として下馬評に上がっている。
期待されたJ.ジャ-ㇺシュ新作のゾンビ-映画は不評の方が目立つ。
受賞レ-スからは外れたと考えてよさそう。
フランス新人監督の2作が絶賛されている。
一本は黒人系監督Laji Ly(ラジ リ-)の「ミゼラブル」。てっきりまたスランス人好みの歴史ものの大作かよと思ったが全然違った。
現在フランスで大社会問題になっている移民や貧困家庭の子供たち悲惨な現状、無情レミゼラブルな郊外を記録映画の手法で描いた社会派映画の力作だと話題だ。
もう一本は新人女性監督Céline Sciamma(セリ-ㇴ シアムマ)の「portrait de la jeune fille en feu「(恋焦がれる若い女性の肖像)」。
18世紀のブルタ-ニュ地方にある孤島を舞台に美しい女性画家官能話が官能的な絵のモデルに魅了されていく。画家とモデルの肉体関係は同監督とモデル役の主演女優の間にあった実話だとか。上映終了後は満員の客席のスタンディングオ-バ-が10分前後も鳴りやまない光景をTVが中継し続けていたので驚いた。いい映画だったのに違いない。
モデル役はAdéle Haenel(アデル ハエネル)。最近文字通りメキメキと人気上昇中で、この他にも同映画祭で2本の主演映画が出品されている。主演女優賞の有力候補だろ。
だがベテランの名女優イザベル ユぺ-ル主演の作品も出ているので予断は許せない。。
大物ではクロ-ド ルル-シュ監督が53年ぶりにアㇴクエ-メとトランティニアンの同じ組み合わせで撮った「男と女」。同監督は両俳優の皺を撮りたかったといってるそうだが、シナリオは大分違っていそう。
上映後の記者会見も盛り上がっていた。アㇴクエ-メは感想を聞かれてあのパレの階段を登るのがしんどかったと、会場を笑わせていた。
またアラン ドロンにカンヌパルムド-ル名誉賞が与えられたが、そのスピ‐チは本人も時々涙で声を詰まらせて感動的なものだった。
もう80歳を超えているのに足取はしっかりしていた。
印象的だったのは、私の一分は皆さんの一日に価すると言ったことだった。恋人だったミレイユ ダルクの名前を出す時、声を詰まらせていた。一番愛した女性だったのではないかという気がした。、
米国の巨匠テレンス ヤングがドイツで制作したune vie chée(隠された人生) ナチスの協力圧力に屈しなかったオ-ストリアの農夫を描いているが、高い前評判だ。
更にシャルロット ゲンスブルグとベアトリス ダルと、個性派女優が共演。
コンペ対象の作品だが、上映は真夜中という異例の扱いだった鬼才ガスパ‐ノエの新作も反響を呼んだ。
これ以降の強力な作品は異端児タランティーノが栄光う時代のハリウッドを描いた作品、続いてスペインの大監督ペドロ アルムドバ-のDouleur et Gloire(苦しみと栄光):
フランス中堅監督の俊英アルノルド デプレシャンなどの作品が上映されていく。
こう見てくると、どの作品がパルムド-ルを獲得するかは混沌としてくるが、それでも予想を立ててみると。
パルムド-ルはペドロ アルムドバ-。既に8回出場して、9回目の今回の作品も前評判上々、年齢的にも69歳になることなども考えての事。
監督賞はタランティーノ。審査委員賞はテレンス ヤング、新人賞はレミゼラブル、
フランスの新進女性監督は批評家賞。でもデプレシャンも何か賞をとる予感が。
カンヌ映画祭も受賞予想の賭博があると面白いのにな。
結果は見てのお楽しみ。
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