獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

フランスのセックス事情

 面白い言葉を拾ったので、まずそれから。


 最近、パリ16区のアパ-ト2階から出火し死者10人負傷者60人を出す惨事があった。
犯人は30歳の女。精神異常者で、この10年間に13の精神病院で世話なっていたという。


 夜中に一ボリュ-ムで音楽を聴いてるので、隣に住む消防隊の若者が注意に行ったところ口論に。
 女は激高して「お前は火事が好きだから消防隊の入ったんだろう。ホラ、今見せてやるよ」と言って放火したという。死者は全員熟睡中。不条理な悲劇である。
  
 メトロに20歳位の可愛いマドモアゼルが乗って来た。肩から下げていた布製手提げバックには「je ne suis pas celibqtaire,j'habite avec un chat,私は独身ではありません。雄猫と住んでいます。」の文句。いいなと思ったので「しゃれた文句だね。それって何かのキャンペーンなの」と聞くと日本人いきなり声をかけらた事もあってなのか、顔面真っ赤に。「ただブティックで見つけて---。」の返事。モンパルナス駅で下車していった。
  
 社会学者janine Moussuz Lavu-がフランス人性生活を調査した著作「La vie sexuelle en France;出版Martinier,288p,20,90 euro」を出した。10年ぶりの再調査である。
 そのキイポイントを挙げておくと‐。


 *フランス人はセックスに対してより開放的で自由。セックスに対してオープンに話すようになっている。証言者は容易く見つかった。


 *フェラチオ、クリニングス、サドマゾ、様々な性の実技について自然に話した。


 *人生は一度の考えが強くダメならすぐ分かれる傾向が強い。


 *幸福を強く求め夫婦のマンネリ化を恐れている。


⋆不倫を悪い事だとは思っていない。


⋆約40-50年前、フェラチオは娼婦だけがするものだったけれど、今はそうでなくなり、大人のおもちゃの使用やクリニングスも普通に行われている。
⋆大半の女性がクリトリスの愛撫など性交前の性戯がないと性的満足を得られないと回答した。


*1960年代に始まった性開放の動きは続いているが、一方でセックレスのカップルが増えてきていて、それについて語る事がタブ-となっている。


 先日、女性診療医(写真)の高齢者性生活の講演を聞く機会があった。



 要点は老人のセックスはタブ‐視されてあまり語られないが、セックスは老いても楽しめるもの。性的満足は性交だけではなく愛撫、キス、愛の言葉でも得られる。  
 具体例として夫の愛情ある言葉が女陰から押し入り性的に満たされるという高齢の女性がいた事を挙げていた。
 これはとてもフランス人的だと思う。コメディ-フラセ-ズを始め言葉に性的快感を感じる民族なのである。
 しかし、この医師もフランスでは今セックスレスの問題があり、それについて語る事が最後のタブ-になっていると指摘していた。


 フランスの女性モ-ド誌は夏季号には必ずセックス特集を組む。
 夏は3s、つまりsun sea sexeの季節である。現代人にあえて発情期があるとすれば夏だな。特にフランスは夏のバカンスが長い。やるチャンスは多い。


 この2月、友人のファッションライタ-村上新子が死んだのを知った。「セックスはすごくいいスポ-ツになるのよ」と何度が聞かされた事がある。
 何時も違った若いフランス人イケメンと一緒だった。何時も先端をいくパリファッションで決めていた。美人系のいい女だった。ファッション街サントノレ通りで偶然に会った時の姿が目に浮かぶ。合掌。


 まもなく時計を1時間遅らせる夏時間に変更する日が来る。