shishigashira2017のブログ

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

パリ夏季大国際芸術祭誕生の事など。

 パリに住む有名人が時々tvでしゃべるのに遭遇する事がある。

 だが、その内容は実生活が見事に欠けている事が多い。
 
 先日はネット事業で成金になりパリに暮らすようになった男がパリのテロについての御託を述べていた。まったく上澄みだけを見ての意見でパリ市民の気持ちはまってく理解していない。腹が立つ。フランスはまだ非常事態下にある。
 最近は大量テロでなくて単発的テロなっているから市民もそんなに恐怖感を抱いていないとか何とか。
 お金があれば世界のどの都市にでも暮らせる。しかし、それとその社会が分かっているかどうかは別だ。住めば町の名所が何処にあるかはすぐ分かるようになる。
 実際長年パリの住んでいてもそれどまりの日本人もたくさんいる。
 
 言葉をなめるな。と思う。
 新聞も読めず議論も分からない。そういう状態は目くらと同じだ。現実も言語の構造に従って理解する。
 ワインを飲んだりチ-ズを食べているからフランスを分かった事にはならない。


 そのカギは言葉に尽きる。その人が幼稚園、中学、高校、大学のどの程度の語学力を持っているかで社会の理解は決まる。像をなでる群盲に騙されてはいけない。
 いい加減な先入観、聞きかじり、それと「俺パリでくらしてんだよね」という気持ちくらいでデタラメを言う。


 詩織さん強姦事件でも一つ分からない事が出て来た。
 それは彼女の家族の事。
 なんで娘を守って前面に出てきて戦わないのかな。
 世間体なんかより被害に遭った娘が可哀そうじゃないのかね。
 もし仮に俺の娘があんな屑男にあんな風に強姦されたら、相手を監獄にぶち込むまで攻撃し続ける。世間体より大切なものがある筈だ。理解不可能である。


 この事では三輪なる女性国際学者がネット放送でしゃべっているのを偶然に聞いた。

 ゲストに対して「事は男と女の関係なので他者がいろいろとは言えないと思うんですけど」と断った上で、「男の人って、少しでもいいと思っている女性が泥酔してしまったら、どういう気持ちになるもんですか」と質問。ゲストの男性は利口な人で誘導に乗らず「泥酔させないようにします」と男は獣との俗説を否定する答えをしていた。
 第一普通の男と女の問題じゃない。強姦の告発なんだよ。こんな女が東大卒の肩書で論客とされているなんて信じられない。


 これは学歴は重視されるが、カルチャ-、文化的教養となると軽視、時には無駄と軽蔑される今の社会価値観と無縁でない。と思う。

 
 大学の仏文学部など学生を遊ばせるためにあるようなもんだから無駄。そんなものに税金を使う必要はない。そういう「論客」の発言もあった。
 信じられない暴言である。
 
 フランスには東洋語学大学という大規模な教育機関があり、イスラムから仏教などを始めバングラデッシュ、チベットなどアジアの少数言語、アジア圏全諸国の文化、言語を取り上げ優秀な研究者を輩出しているが、これを実益とは結び付かない無駄な教育機関などいうフランス人はいない。
 もっとも排外主義、民族差別主義者であるファシスト極右ならそういうかもしれない。
 ファシストは自分の文化ファ―ストで他の文化は無駄と片付ける。
 ヒットラはア-リア人ファ―ストで民衆を煽り動員して独裁者となった。
 文化の多様性など認めない。劣った文化と優れた文化があるだけ。そして劣るものは奴隷のままでいい。
 日本の学歴主義は出身校で評価する。東大卒の肩書で売っているような人間は信用しない方がいい。利用されるだけが落ちである。人を見ないで肩書に騙されひどい目に会った人たちを多く見て来た。詩織さんもその一例かも知れない。


 フランスの強みは多様な文化が重層に積み重なって出来た現代文化、カルチャ-の土壌の豊かさと深さにある。と思う。
 JR線の内側区域の面積で東京の三分の一しかないパリに詰まっている美術館、コンサ-トホ-ル、劇場、映画館などの文化施設の驚く多さを考えだけでも厚みとすごさは一目瞭然だ。病院内でもよく音楽会が開かれる。
 耕すを意味するカルチャ-は人の心を耕し豊かにする。気持が豊かなら他者への想像力や寛容も生まれる。そういう市民が多く住む都市が住みやすくなるのが当然だ。
 伝統芸能を特権的に保護するだけでは生きた肥しにならない。
 
 今夏からパリで演劇、ダンス、サ-カスの大規模な国際芸術祭が開催される事になった。名付けて「festival paris l'éte」。期間は7月17日から8月5日迄。場所はピカソ美術館、バンセ-ㇴ城など市内外23か所。問い合わせはprénom.nom@parislete.fr.

 
 過去パリの芸術シ-ズンの幕開けは一カ月の休暇もざらあるな長い夏休暇が終わる9月下旬ころからスタ-トするのが普通だった。
 その中心は寺山修司やリビングシアタ-更にはボブ ウィルソンなどを紹介発見させた事で知られるフェスティバルド-トンㇴで、夏季のカルチャ-シ-ンは砂漠だった。
 しかし、数年前から夏季のバカンス期、パリに残っている市民を対象とした小粒な芸術祭「夏のカルチェ」が開かれるようになり年々人気を上げていた。
 今夏から開かれる大国際芸術祭は、この芸術祭の人気に自信を抱いたパリ市が規模を拡大して開く事になったもの。秋の大国際芸術祭に対抗できるイベントの誕生だ。


 上演作品数は23本。中でも注目できそうなのは以下の作品とみてよさそう。
1、オ-プニングのヒップホップダンス作品。「floor on fire」7月17日、ラジオフランス局内。
2、ダンボ-ルで構築される「束の間の都市」イベント、7月17日から30日迄、ヴィレット公園内。
3、アビニヨン国際演劇祭評判作8本を朝から夜中まで連続で上演する「パリのアビニヨン国際演劇祭」ル-ブル博物館中庭野外公演、7月18日、19日。
4、サイドウェイズ レイン。ジャック デク-ル高校中庭。7月19日-22日。
5、マジック道化の「カッサンドレ症候群」7月20日-29日、ルモンフォ-ル劇場。
6、インドの同時代ダンス作品、7月27日-30日、ジャックデク-ル高校中庭内。
7、ミュ-ジカル、「DJ SET ECOUTE]7月27日、28日。フランスラジオ局内スタジオ104.
8、大人数の舞踏会「BAL PULSE]7月22日、4区公園内。
9、ポルトガルの歌謡ファドの創作曲「スウィングファド」8月2日、3日,モンフォ-劇場。
10、三銃士を原作にした新集団創作劇、「Les trois mouquetaires,la serie」8月3日-5日、バンセ-ㇴ城内。


 全て未知のア-ティストの未知の作品ばかりで、発見が期待出来そう。
 サイトアドレスはwww.parislete.fr