獅子頭伸のフランス情報;パリのつびぶやき。

在仏約40年の経験を生かしてパリを中心とした文化社会情報をお伝えしていきます。k

パリに暮らして40年以上が経ちました。情報誌パリ特派員、日本映画祭のプログラムディレクタ-などをしてきました。恐らくパリに骨を埋めるでしょう。日本映画紹介の仕事は続けています。年齢は還暦過ぎてから忘れています。そんな日本人男が触れる日常や特にカルチャ-シ-ン、またパリから見た日本の事などを書いていきたいと思っています。ヨロシク。

パリ3月の涙

 フランスには春がない、といったのは今最高と言われる作家ウールベックだが。それでも春らしさは感じる。だが間もなく一気に夏に雪崩込んでいく。


 時計も夏時間に変えた。


 夕方もかなり明るくなった。一時間進めれば冬季より就寝が早くなる。本格的に夏になれば22時になっても昼みたいだから、寝る気にならない。


 気候変化と関係はないだろうが、最近よく泣く。少しでも琴線に触れる事があるとすぐ泣いてしまう。涙が溢れる。


 ストレス解消でav動画を見ていた。
 頻度が増えると中毒化するらしい。要注意、しばらくは見ない事にした。 


 オナニ‐は多少の罪悪感を伴う秘かな快楽だ」というフランス知識人もいるが。
 老女に魅力を感じない爺さんにとって「性欲の舵取り」は実に難しい。


 目下、美人女子大学生の知り合いが二人いる。それぞれ特色のある美人だ。


 一人は細身、カフェのテラスに座って、切れ目のあるスカ-トから細いのに肉付きのいい脚部を見た時は息が止まりそうになった。目は細く切れ長で、そこからブル-の瞳がのぞく。それで見られると内心卒倒する。


 もう一人はチュニジア出身の子。背が高く見事なプロモ-ションをしている。
 目は大きく瞳は茶系。アラブ系美人にはフランス美人が対抗できないすごい魅力があるが、彼女はその好例である。


 「昔だったらな」と思うが、さすがに40歳近くも年齢差がある彼女たちを恋人したい気持ちはグロテスク。
 美しい生け花の傍らにいられるだけでいいのだ。。それで満足する。


 av見ていてav女優には美人が時々いるなと思った。


 でも内容は必ず全て同じ、変わるのは女だけだから必ず飽きる。
 見た後には必ず不潔感嫌悪感が残るし。


 で、tvに切り替えたら、映画「バベットの晩餐会」をやっていた。カンヌ映画祭でみていて、「すごい、すごい」と触れ回っていたが、再鑑賞して、全く分かっていなかったことに軽いショックを覚えた。シナリオも映像も古びてない。世界映画史上の傑作。


 先日主演女優が他界したので急遽放映されたらしい。


 晩餐会を準備する様子にもう泣けて泣けて。美味な食事をして固くなな心が開放されていく様子にも胸が詰まる。


 これを見て泣き。セックス、劣情しか映像化しないavは確かに愚劣の極致だと反省した。自分に腹がたった。人間精神不在。空虚な臓器の擦り合わせしだけ。人間の動物本能は刺激されるが。それだけになったら人間存在は瓦解するだろう。


 しかし、パリにて日本のポルノが自宅で見れるのだから、僅か20年前には考えられなかった時代に生きている。もう1970年代は完全に消滅しつつある。



 女性を見つけ難い老人セックス問題は深刻である。娼婦を抱いた方がましなのかな。
カネを貯めて美人の街娼が多いシャンゼリゼ界隈で近く試してみようかな。


 田舎少女のナイ-ブな青春と夢の蹉跌を見事の描いた米映画greta Grewing監督「Lady Bird」を隣の市立映画で見て感動し泣けて泣けて。思春期ってのは素晴らしい。生命の輝きがある。主演の細身少女役saroise romanの演技がうまい。抜群だ。


 恋仲になりセックスした後、その同級生男子に寝た女子の数は10人以上といわれて失望する。
 NYに出てきて飲み屋にいた青年に何処から来たのと聞かれて、無名の田舎都市なので、すぐサンフランシスコと誤魔化す。日本と変わりない。


 この18歳少女がいろんなことを経験していくナイ-ブな美しさに泣けて泣けて。場面ごとに涙がこみあげてきた。


 この映画に泣かされて帰宅しtvをつけたら初老役のデ二-ロがベットにベット上でtv放送のラブロマンスを見ながら泣いていた。どうやら若く美しい秘書に恋心を抱いているのが原因らしい。かなわない望み、人間の宿命。


 その涙、痛いほど分かるよ、デ二-ロさん。
 俺も泣いちゃった。


 処女作タクシ-ドライバ‐の若い君は涙など見せず不遇に突っ張って生きていて恰好よかったもんな。